或る旅2

おでかけ記録です。ライブドアからはてなに移転しました

寒波迫る真冬の北国へ ④弘前→青森→東京

前回までのあらすじ
年末寒波の中、ギリギリのところで旅程崩壊を避けてきたものの、ついに乗車予定だった北上線がダウン。しかし、盛岡から「立席特急券」を利用してこまち号で秋田へ向かうことに成功した私は、より北を目指し視界のない奥羽本線に乗り、弘前を目指す。

今回は仙台から盛岡・秋田を経由し弘前そして青森へ向かう3日目と、青森から東京へひたすら下る最終日について取り上げる。

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秋田から2時間半。18:55 弘前に到着。
吹雪の中よく頑張ってくれた、という感じだ。
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ここから市内中心部へはバスで移動。小さなバスで揺られること10分。
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弘前城外濠に到着。
そう、これを見に弘前までやってきたのである。
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桜で有名な弘前城だが、冬にも「冬に咲くさくらライトアップ」が行われ、降り積もった雪にピンク色の明かりが照らされる。昨年からSNSなどで話題となっていた。
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「桜吹雪」とはいうが、本物の吹雪がピンク色になっているこの状況はただ寒いだけなのか...。
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弘前城天守閣。
雪がしんしんと降るなか、静けさに包まれている。
江戸時代から現存する天守閣としては、東北唯一なのだという。
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雪は止まる気配がない。

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さて、弘前城をぶらぶらしているとさすがに体が凍えてきた。
そんなときだった。
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洋館風の建物が目の前に。
スターバックスコーヒーの弘前城公園前店なのだそうだ。
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1917年に陸軍師団長の官舎として建てられたこちらは、国の登録有形文化財に登録されている。
ちなみにスターバックスでは、登録有形文化財を利用している店舗は神戸に続いて2店舗目なのだそう。
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リノベーションされているが、当時の姿をほとんど残しており素晴らしい。

コーヒーを飲んで温まったところで、そろそろ列車の時間も近い。
初乗り程度の距離なのでタクシーを利用した。

21:18弘前発の奥羽本線に乗り、青森へ。
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かつて長距離列車が発着した青森駅の長いホーム。
今では新幹線にその役割を譲ってしまい、すっかり持て余している。
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雪をはがす作業が難航しているようだった。

Agodaで2900円という破格の値段で予約したホテルに荷物を置き、街に出る。
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「青森まちなかおんせん」は、文字通り青森市中心部にある銭湯である。
遅い時間(たしか0時)までやっており、非常に使い勝手が良い。
今回の4日間の旅では、珍しく2回もお風呂に入れた。

さて、晩飯がまだだった。
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青森といえば煮干しラーメン。
「ラーメン砂小屋」では、あっさりとした煮干しラーメンがいただける。
駅にも近く、遅くまで営業しているのがありがたい。
煮干しラーメンといえば「濃厚」というイメージがあったので、なんだか新鮮な感じがした。

そんなところで3日目は終了である。


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朝6時の青森駅と雪かきに追われる人々。
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青森駅前の朝市で、マグロの中落ち丼を食べる。
贅沢な朝だ。
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青森のベイブリッジと発車を待つ青い森鉄道701系

ここからは青い森鉄道いわて銀河鉄道を経由して東北本線で東京まで一気に下る。
もっとも、青い森もIGRもかつては東北本線の一部だったわけだし、実質「東北本線に乗るだけ」の一日ということになる。
6:12 八戸行きの列車は青森駅を発車。

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夜が明ける。陸奥湾が見える。
対岸は北海道...と言いたいところだが、あちらは下北半島
青森県を東へ進んでいると、豪華寝台列車の四季島とすれ違ったのが見えた。
東北を巡る行程の旅行なのだろうか。カメラを構える暇などなかった。

青い森鉄道第三セクターでJR線ではないが、青森から八戸まで、途中下車せずに通過する場合にのみ利用が可能である。
なお、IGRいわて銀河鉄道については一切利用ができない。
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7:41 終点八戸に到着。
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8:53発の盛岡行きに乗り換え。
IGRの車両だが、青い森線内から直通している。

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青い森鉄道IGRいわて銀河鉄道の境界駅となる目時駅
特に大きな駅というわけでも無ければ、乗務員交代があるわけではない。
あくまで「県境」の駅である。ここからは岩手県に入る。
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味のある駅舎だなと思った。
10:49 盛岡に到着。
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ここからは再びJRになる。
なお、IGRとJRの改札口は別になっているので不正乗車などはできないようになっている。
もし八戸などでの乗り換え時間が足りずきっぷが買えなくても、盛岡駅で精算することは可能である。

11:07発の一ノ関行きは、わずか2両という編成である。車内は、地方での通勤ラッシュぐらいの満員だった。
むろん、満員電車状態は、列車が進むにつれて解消されていく。
終点の一ノ関には12:34に到着。
一ノ関からは小牛田行きに乗り換え、小牛田からは仙台行き、と、乗り換えが細切れになっていく。
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小牛田から仙台へ向かう列車内からは松島の景色も見ることができる。

14:23 仙台に到着。
そういえば昨日の朝もここにいたんだっけ...。
ここで少し予定外の動きをした。
常磐線経由で福島浜通りから行くルートを発見し、常磐線に飛び乗ったのだった。
ところが、途中のバス代行輸送区間で乗れるか不安だったのと、実家に到着するのが少し遅くなるということで今回はパス。
予定通り東北本線で下ることにした。

東北本線との分岐点にあたる岩沼駅で列車を降りた。
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運行区間も伸び、原ノ町まで行けるようになった常磐線
かつては東京まで繋がっていたが、原発事故などの影響で未だ全線復旧は果たせていない状況である(2019年1月現在)

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原ノ町・いわき・水戸方面」。
もう一度、復活してほしいものである。

岩沼から福島行きに乗り、福島からは新白河行きに乗り換える。
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日も沈んでいく。夜明けから日暮れまで、「一日を東北本線で過ごした」という感じである。
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18:09 新白河に到着。黒磯行きに乗り換える。
黒磯駅の直流化工事の影響で、黒磯と新白河の間の列車はキハ110かE531系になった。
今回はどちらかと思ったがまさかのキハ110。ここにきてまさか気動車に乗るなんて思ってもいなかった。
以前東北方面を訪れた際にはなかった、「新白河ダッシュ」なるものが発生していた。
関東へ向かう18きっぱーたちもどうせ同じ列車に乗るのである。
キハ110の2両というなんとも厳しい条件のなかで、なんとか座席を勝ち取ったのだった。

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18:44 黒磯に到着。
205系宇都宮線が「関東へようこそ」とでも言わんばかりにお出迎えしてくれた。
もうここから東京方面に出られればいいのだが...。
1時間乗車し、宇都宮で乗り換える。
19:43発の宇都宮線快速ラビット関東平野を南下していく。
大宮までは高崎線よりもはるかに早く感じられた。

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21:23 赤羽から埼京線に乗り換え、そして今回の終着・池袋へ到着。
4日間にわたる東北旅行は無事に終了したのであった。

寒波寒波と言われるなか、一部変更はあったものの基本的に大きな旅程崩壊は生じなかったのは本当に奇跡だと思う。
私とほぼ同時に東北を移動していた後輩は見事に旅程崩壊したそうなので、なんというか、申し訳ない気分だったりもする。

雪にまみれた4日間ではあったが、行ったことのない場所や見たことのない景色を見るのはやはりこの上ない楽しみであるなと感じられる。

さて、次はどこへ行こうか。

「寒波迫る真冬の北国へ」おわり