桜の街・北区滝野川
東京には数えきれないほどの「桜の名所」が存在する。
上野公園や目黒川沿いなどは毎年メディアなどで取り上げられているので全国的にも知られている。
だが、いずれも「人を観に行く」と言っても過言ではないほどの人出だ。
都心近くで桜をゆっくり楽しめる場所というのは、ガイドブックには載っていないものである。
北区滝野川にある桜通りもまた、メディアなどでは取り上げることの少ない桜スポットの一つといえる。今回は、桜通りを中心に北区滝野川についてご紹介していきたい。
池袋からJR埼京線で一駅、約3分の位置にある板橋駅。
ターミナル駅の隣とは思えないほど静かな駅前である。
そんな板橋駅東口を出るとすぐ見えるのが滝野川桜通りである。
板橋駅前から明治通りにかけて、100本もの桜が植えられている。
「桜通り」の名に恥じない迫力である。
これだけの桜並木にも関わらず、住宅街ということもあってか見物客の姿は少ない。
2016年3月には、「報道ステーション」の企画で特別にライトアップがなされた。
滝野川は古舘伊知郎の地元である。彼がキャスターを務めた最後の回にライトアップの下でサックス奏者による演奏が行われ、その様子が全国で放送されたのであった。
最初で最後のライトアップということもあり、この時は地元の人など多くの見物人が集まった。
普段は見られない夜桜だったが、大変見事なものであった。
何かの機会があれば、こういったライトアップをしていただきたいものだが…(北区役所さん...)
さて、ここからは滝野川の街について紹介する。
まずは銭湯、稲荷湯。
昔ながらの破風造りの建物を保っている。
映画「テルマエ・ロマエ」のロケ地の一つであり、阿部寛演じるルシウスがタイムスリップして現代日本に飛ばされてきたのはここのお風呂である。
番台や高い天井、富士山の絵など、今なお昔ながらの雰囲気を残している。
お湯の温度も47度と高めなのが特徴だが、最近はお湯がぬるめの浴槽が設置されたので熱すぎてどうしようもないということにはならない。
旧中山道
江戸から内陸を経由し京都へ向かう、五街道の一つ。
埼京線の踏切を渡った向こう側の板橋区には、日本橋から数えて一番目の宿場である板橋宿があった。
現在も通り沿いには多くの店があり賑わっている。
板橋駅から北へ、踏切の手前にかけて続く飲み屋街。
この向こうには通称ラーメンストリートが続いている。
といっても、3軒が狭い範囲に密集しているだけなのだが。
同じ場所から、夜の様子。
夜になると、楽しそうな笑い声が外に漏れてきていた。
滝野川市場通り商店街
御代の台仲通り商店街
滝野川では商店街が今でも現役で、このように昔ながらの表情を見せているのである。
これでも池袋駅の隣なのだ…。
飲食店に関しては板橋駅の板橋区側(西口)のほうが充実していると思われたが、最近では北区側(東口)での出店も目立っており、ますます面白くなっている。
桜見物ついでに、滝野川で散歩してみるのもいいのかもしれない。
「桜通り」自体は、JR埼京線「板橋駅」のほかに、都営三田線「西巣鴨駅」や東武東上線「北池袋駅」からそれぞれ徒歩約5分程度でアクセス可能である。
住宅街であることを配慮の上、ぜひ足を運んでいただきたい。
おまけ
今回の撮り猫