秋を探しに新宿御苑へ

2017年12月上旬某日。
東京に用事があり実家に帰省。
この秋は、個人的には京都にでも行って「紅葉の写真」を撮りたいと思っていたのだが、まとまった休みが取れなかったため実行できなかった。

ところが、どうやら東京にも紅葉が見られるスポットがあるらしい。
それもかなり都心である。

新宿御苑には、新宿駅からも徒歩10分程度で行ける。
もとは江戸時代の藩邸のあった場所で、宮内庁管轄の皇室庭園として利用されたのち、現在は環境省管轄の公園となっており、人々の憩いの場となっている。
そんな新宿御苑内を歩いてみることにする。

新宿駅に最も近い新宿門。
入場料は200円だが、公園内のボリュームを考えるととても安い



12月のすっきりとした青空と色鮮やかな木々のコントラストが美しい。

園内の一角に可憐に咲く水仙。新宿御苑では、12月頃から2月にかけてが見頃なのだという。

上の池とNTTドコモ代々木ビル。

人間は無意識のうちに自然を求めるのだろうか。世界のどの都市でも、こういった広い公園が街の中心部に近い位置にあるような気がする。
個人的には、東京の公園といえば代々木公園のイメージのほうが強かったが、もっと都心に近いところにこんな場所があるとは。一つ前の写真に写っていたNTTのビルがエンパイアステートビルに見えるし、東京のセントラルパークといったところだろうか...。


静かな水面が鏡となって木々を写している。



下の池には中洲のような場所がある

燃えるような赤...
さて、ここまで「秋」をご覧いただいたが、同じ日に既に冬が訪れていた場所も多かった。



冬枯れのプラタナス並木

葉もほとんど落ちてしまった。

こちらはヒマラヤザクラという冬に咲く桜である。
インド北部が原産とされており、高山地帯に自生するために日本の気候には合わないそうだ。
日本で見られる場所も多くはなく、その珍しさから多くの人を集めていた。
冬のこの時期限定なので、ぜひ見てみたい植物である。

旧洋館御休所。天皇や皇族の休憩所として明治時代に建てられ、2001年には重要文化財に指定された。

旧大木戸門衛所。昭和2年に建築された門衛所である。
皇室庭園ということもあり、当時のセキュリティがしっかりしていたことが伺える。

さて、こんなところで新宿御苑の散歩を終えるとする。
大木戸門からは、地下鉄丸ノ内線の新宿御苑前駅が近い。

同じ公園といえど新宿門と大木戸門は離れている。
電車で新宿駅に向かうことにする...。

山手線の内側に、まさに「都会のオアシス」が存在している。
東京には緑が少ないと思ってきたが、案外自然を楽しめる場所は近くにあるのだ。
いつかまた、春、夏などに秋・冬とは違った表情の新宿御苑を訪れてみたいものである。