マレー縦断鉄道旅 ⑥沈没不可避の「東洋の真珠」を歩く その2
バタワースとペナン島を結ぶフェリーの、フェリーターミナルの横にはバスターミナルがある。
ここからペナン島各地へ移動することができる。
(前回参照)バタワースできっぷを買いそびれた私は、気を取り直して島の中心部へ移動することにした。
バスターミナルからバスに乗り込み、20分程度移動する。
アイルイタム地区に来た。
バスではもちろん車内放送などない。地元民と思しき乗客に「ここはアイルイタムか?」と聞くと、「屋台のほうならここだよ」とのこと。急いでバスを降りる。
ここにはあるものを食べに来た。
バスを降りると屋台街が広がっている。日本人のブログに載っているのでここで間違いないはずだが…。
失礼ではあるが、あまり”綺麗”とはいえないお店で、そこにはなんともいえない独特の香りが漂っている。
うーむ、やっぱりやめようか...などと思ったが、せっかくここまで来たんだし試してみよう。
「ラクサ一つ」
英語が話せる風の少年が「そこに座って」と案内してくれた。
1分ぐらいで出てきたのはラクサというペナン島の地元料理である。
発酵した魚介で出汁を取った辛酸っぱいスープに米粉で作られた麺が投入されている。
まさに「発酵」という匂いがする。
いざ食べてみる。私は案外いけるなと感じた。
これは好き嫌いが分かれそう...。
一度試してみる価値はあり。
詳しくは覚えていないが、日本円にして200円以下の値段で食べられた。
お店は極楽寺というお寺の参道にある。バス通りからすぐなので見つかるはず。
それにしてもこの極楽寺、すごい大きさ...。マレーシア最大の仏教寺院なのだそう。
今回は立ち寄らなかったが。
お金もないので、ここから歩いてペナンヒルのケーブルカーまで向かう。
2~3㎞あるかないかといった感じなので大した距離ではない。
...と思っていたが、距離というよりも湿気と気温とで体力の消耗が激しい。
バテ気味になりながらペナンヒルと呼ばれる山の、麓までたどり着く。
ここからケーブルカーに乗る。
チケットを購入し、乗り場へ向かう途中に何故か「記念撮影コーナー」が用意されており、前の家族やカップルが楽しそうに撮られていくのを見た。
ソロ参加の私は「I don't need it」と訴えるも、係員は「You must」と。
強制らしい。
苦笑いしながら写真を撮られる。何かを察した撮影係は、「...Go」と。
ソロには厳しいケーブルカーである。
ケーブルカーの最前列に乗り込む。
スカーフを巻いたキラキラマレーシア人JD(?)たちが楽しそうにしている。
ケーブルカーは勾配をすいすい登っていく。なかなかのスピードだった。
15分ぐらいで山頂に到着。
ジョージタウンや対岸のバタワースの方向を眺める。
上からの極楽寺。
展望台より上にも行けそうだったので歩いてみる。
モスクもあるようだ。
イギリス風の石造りの建物だが、一体なんだったのだろうか。
かつてケーブルカーで使用されていた車両らしい。
ペナンヒルを一通りぐるっと回ったところで、ケーブルカーで下山して次の場所へ向かう。
行ってみたい場所があったのだが、バスだとどうしても時間が掛かりそうだ。
しかしタクシーも高い。
そんなことを考えていたときに思い出したのが、
Uber(ウーバー)である。
アメリカ発祥の配車アプリだが、ここマレーシアでも実装されている。
むろん、100円以下の料金で移動できるバスに比べれば値段は割高だが、確実に目的地には着ける。
現在地と目的地を入力し、クレジットカードでの支払いに設定。
あとは待つだけだ。
私の一番近くにいた車は、5分も経たぬうちに到着した。
一般の乗用車なので特に目印はないが、それらしき車を見つけナンバーを照らし合わせて乗り込んでみる。
「えーっと、ウーバー?」「そうだよ」
ガタイの良い男性が運転してくれた。
「マレーシアは初めて?」
「ええ、でもマレーシアってとってもいいところだと思いますよ」
簡単な会話もあったが、基本的にはただ外を眺めているだけだ。
「ここは以前津波が来たところで...」
いろいろな情報も教えてくれた。
Uberの車で30分ほどで、目的地には到着した。
う、海だ―!!!
島の北西部に位置するバトルフェリンギ(Batu Ferringhi)という海岸にやってきた。
南国には来ていたが、ビーチに来ていなかったので「南国」を実感する機会はあまりなかったと思い出す。
ここでも脱力。砂の上に腰掛ける。
Wi-fi目的で近くのスターバックスに入る。
気づいたら十数分で日がだいぶ傾いてきた。急いで外に出る。
先ほどの場所に戻る。
素直に感動した。この光景を一人で見てしまうのは少し勿体ない気もした...。
日が完全に沈むのを見届けたところで、ジョージタウン行きのバスに乗る。
このバスというのが、ホテルごとに停留所があるせいか恐ろしくトロトロ走るのである。
ジョージタウンにたどり着くまで1時間ぐらい掛かっただろうか。
バスターミナルらしきところで降りてみた。
ところが、宿からは少し距離があったらしく、ふらふらと宿の方向へ歩いてみる。
お腹も空いたので途中の食堂で食べてみる。
やはり不思議な雰囲気の麺料理。おいしい。
マレーシアのこの不思議な食文化は、中国系移民によるものが大きいのだろうなと感じる。
先ほどのモスクの「ミナレット(塔)」
10分ほど歩き、宿に到着。
しかし昨日と雰囲気が違うのは、なにやら宿の前の通りが賑やかだということだ。
昨日はなかったと思われる屋台街が広がっている。
こっちで食べればよかったかなぁ
などと思いながら、部屋に入っていった。2日ぶりぐらいにシャワーを浴びた。
明日はいよいよマレーシアから出国する。
こんなに居心地の良いペナン島からの脱出は果たして成功するのだろうか...?
つづく
ここからペナン島各地へ移動することができる。
(前回参照)バタワースできっぷを買いそびれた私は、気を取り直して島の中心部へ移動することにした。
バスターミナルからバスに乗り込み、20分程度移動する。
アイルイタム地区に来た。
バスではもちろん車内放送などない。地元民と思しき乗客に「ここはアイルイタムか?」と聞くと、「屋台のほうならここだよ」とのこと。急いでバスを降りる。
ここにはあるものを食べに来た。
バスを降りると屋台街が広がっている。日本人のブログに載っているのでここで間違いないはずだが…。
失礼ではあるが、あまり”綺麗”とはいえないお店で、そこにはなんともいえない独特の香りが漂っている。
うーむ、やっぱりやめようか...などと思ったが、せっかくここまで来たんだし試してみよう。
「ラクサ一つ」
英語が話せる風の少年が「そこに座って」と案内してくれた。
1分ぐらいで出てきたのはラクサというペナン島の地元料理である。
発酵した魚介で出汁を取った辛酸っぱいスープに米粉で作られた麺が投入されている。
まさに「発酵」という匂いがする。
いざ食べてみる。私は案外いけるなと感じた。
これは好き嫌いが分かれそう...。
一度試してみる価値はあり。
詳しくは覚えていないが、日本円にして200円以下の値段で食べられた。
お店は極楽寺というお寺の参道にある。バス通りからすぐなので見つかるはず。
それにしてもこの極楽寺、すごい大きさ...。マレーシア最大の仏教寺院なのだそう。
今回は立ち寄らなかったが。
お金もないので、ここから歩いてペナンヒルのケーブルカーまで向かう。
2~3㎞あるかないかといった感じなので大した距離ではない。
...と思っていたが、距離というよりも湿気と気温とで体力の消耗が激しい。
バテ気味になりながらペナンヒルと呼ばれる山の、麓までたどり着く。
ここからケーブルカーに乗る。
チケットを購入し、乗り場へ向かう途中に何故か「記念撮影コーナー」が用意されており、前の家族やカップルが楽しそうに撮られていくのを見た。
ソロ参加の私は「I don't need it」と訴えるも、係員は「You must」と。
強制らしい。
苦笑いしながら写真を撮られる。何かを察した撮影係は、「...Go」と。
ソロには厳しいケーブルカーである。
ケーブルカーの最前列に乗り込む。
スカーフを巻いたキラキラマレーシア人JD(?)たちが楽しそうにしている。
ケーブルカーは勾配をすいすい登っていく。なかなかのスピードだった。
15分ぐらいで山頂に到着。
ジョージタウンや対岸のバタワースの方向を眺める。
上からの極楽寺。
展望台より上にも行けそうだったので歩いてみる。
モスクもあるようだ。
イギリス風の石造りの建物だが、一体なんだったのだろうか。
かつてケーブルカーで使用されていた車両らしい。
ペナンヒルを一通りぐるっと回ったところで、ケーブルカーで下山して次の場所へ向かう。
行ってみたい場所があったのだが、バスだとどうしても時間が掛かりそうだ。
しかしタクシーも高い。
そんなことを考えていたときに思い出したのが、
Uber(ウーバー)である。
アメリカ発祥の配車アプリだが、ここマレーシアでも実装されている。
むろん、100円以下の料金で移動できるバスに比べれば値段は割高だが、確実に目的地には着ける。
現在地と目的地を入力し、クレジットカードでの支払いに設定。
あとは待つだけだ。
私の一番近くにいた車は、5分も経たぬうちに到着した。
一般の乗用車なので特に目印はないが、それらしき車を見つけナンバーを照らし合わせて乗り込んでみる。
「えーっと、ウーバー?」「そうだよ」
ガタイの良い男性が運転してくれた。
「マレーシアは初めて?」
「ええ、でもマレーシアってとってもいいところだと思いますよ」
簡単な会話もあったが、基本的にはただ外を眺めているだけだ。
「ここは以前津波が来たところで...」
いろいろな情報も教えてくれた。
Uberの車で30分ほどで、目的地には到着した。
う、海だ―!!!
島の北西部に位置するバトルフェリンギ(Batu Ferringhi)という海岸にやってきた。
南国には来ていたが、ビーチに来ていなかったので「南国」を実感する機会はあまりなかったと思い出す。
ここでも脱力。砂の上に腰掛ける。
Wi-fi目的で近くのスターバックスに入る。
気づいたら十数分で日がだいぶ傾いてきた。急いで外に出る。
先ほどの場所に戻る。
素直に感動した。この光景を一人で見てしまうのは少し勿体ない気もした...。
日が完全に沈むのを見届けたところで、ジョージタウン行きのバスに乗る。
このバスというのが、ホテルごとに停留所があるせいか恐ろしくトロトロ走るのである。
ジョージタウンにたどり着くまで1時間ぐらい掛かっただろうか。
バスターミナルらしきところで降りてみた。
ところが、宿からは少し距離があったらしく、ふらふらと宿の方向へ歩いてみる。
お腹も空いたので途中の食堂で食べてみる。
やはり不思議な雰囲気の麺料理。おいしい。
マレーシアのこの不思議な食文化は、中国系移民によるものが大きいのだろうなと感じる。
先ほどのモスクの「ミナレット(塔)」
10分ほど歩き、宿に到着。
しかし昨日と雰囲気が違うのは、なにやら宿の前の通りが賑やかだということだ。
昨日はなかったと思われる屋台街が広がっている。
こっちで食べればよかったかなぁ
などと思いながら、部屋に入っていった。2日ぶりぐらいにシャワーを浴びた。
明日はいよいよマレーシアから出国する。
こんなに居心地の良いペナン島からの脱出は果たして成功するのだろうか...?
つづく