或る旅2

おでかけ記録です。ライブドアからはてなに移転しました

歡迎来到澳門⁉

2018年9月
これはマカオでのちょっとした「バトル」の記録である。

―前回までのあらすじ―
韓国・ソウルの予想以上の「居心地の良さ」に感動していたら移動時間を誤算し、しかしながらチェックイン終了時刻のギリギリに仁川空港に滑り込んだ私は格安セールで押さえておいたマカオ行きの飛行機になんとか飛び乗ったのであった。

仁川から3時間と数分。LCCの小さな機体は一度マカオ空港に向けて降下するも、ゴーアラウンドの指示が出たのか、機首を再び上げ加速した。

中国は韓国や日本とは1時間の時差があるので時計を一時間遅らせる。
飛行機は0時半ごろに着陸した。

滑走路からも、巨大なホテルとネオンを見ることができた。
さすがカジノの街といったところである。
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1999年までポルトガル領だったということもあり、申し訳程度のポルトガル語が見受けられる。

① VS タクシー運転手
こんな時間なので公共交通機関は動いていないだろう。
それに、動いていても乗り方もわからないうえ変なところに連れていかれるリスクもある。
大人しくタクシー乗り場に並ぶ。

自分の番になり、さっそく携帯電話に保存してあったホテルの住所を見せた。
運転手はそれを見ると
「ユッコ?ユッコ?」と聞いてくる。
何を言っているのか全くわからなかった。

もしかして英語がダメなのか。
「元はヨーロッパなんだし英語も通じるだろう」という考えが幻想だったと知る。

「 I will go there!」と訴える。
すると彼は「なんだこいつ」といった顔で私を見ると、「とりあえず乗れ」とでも言うかのように車を発進させた。

運転手は、空港のタクシー乗り場から少し離れた場所で車を停めた。
「もっかい見せてみろ」というジェスチャーをするので、携帯電話を渡す。
彼にとって馴染みのない宿だったようだ。
住所を確認すると「あーここね」とでも言うように車を発進させた。

そして、私はここで先ほど彼の発した「ユッコ?」が「You go?」だったことを理解したのであった。

マカオは「マカオ半島」と「タイパ島」、「コロアネ島」の3つのエリアで構成されている。
空港があったのは「タイパ島」で、古くからの街並みが残る「マカオ」は「マカオ半島」に位置している。ホテルもそこに取っている。

タクシーは、長い橋を渡ってタイパ島からマカオ半島へと入っていく。
その長い橋からは、マカオの街並みが一望できた。
ネオンの明かりがキラキラと映っている。なんだかすごいところに来てしまったと感じた。

有名なホテル・リスボアの看板などに圧倒されていると、ホテル付近に到達したようだ。
ところが、狭い路地ではタクシーの前をゴミ収集車がのんびりと走っており進むことができない。

「ここで降りろ、すぐそこだから」
運転手が言うので仕方なく降りる。
料金を支払い車を降りると、ゴミ収集車が加速した。なんというタイミングの悪さだ。

東南アジアでも韓国でもヨーロッパでも、大半のことは「英語でなんとかなった」のだが、「英語がダメ」という状況は初めてだった。
しかしこれは、この旅の後半まで続く「中華圏」の洗礼でしかなかったということは、このあと痛いほど知ることになる。

すぐそこ、とは言うがここは真っ暗なマカオの路地裏。
すぐにわかるわけもなくしばらく彷徨い、ようやく発見。
時刻は1時半だっただろうか。
ようやく眠れる...と思ったら、そんなに甘くなかった。

②VS 宿のオバちゃん
宿のフロントに行く。
「I have a reservation」と言うが、
フロントのオバちゃんは「英語がわからない」というようなことを広東語(?)で返してきた。
やれやれとパスポートを渡す。
すると、
「予約が無い」
というようなニュアンスのレスポンスが返ってくる。

そんなバカな。
きちんと予約サイトで予約した上、支払いまで済んでいる。
しかも今回の旅行では最高額の4000円という料金を払っているのだから、絶対に譲れない。

本来はこういった状況では携帯電話の予約確定メールを見せつければ確実な証明になるのだろう。
だが、どういうわけか携帯電話の電池残量は「0%」、つまりは電池切れ状態だったのである。
こういう状況で力を発揮するはずのGoogleの翻訳機能も使えないという状況である。

「ちょっと調べてみるからちょっと待ってくれ」と言い、オバちゃんはパソコンに向かう。
そして、自身の携帯電話で通話を始めた。
「代われ」というジェスチャーで私に電話をよこす。
英語が話せる人を通じて話せということらしい。

それから少し、「〇日に〇〇という旅行サイトで予約したんだが~」という話を電話の向こう側としていた。

しばらくすると、
オバちゃんは笑いながら、「あったわ」というように予約票を見せてきた。
そこにはしっかり自分の名前が書いてあった。
あったじゃねえかよ!!

時刻は2時半ぐらいだっただろうか。
そういえば、ソウルでも飛行機に乗るので精一杯で夕食を取りそびれ、マカオに着いてもこの有様なのでお腹が減っていることを思い出した。
「腹が減ったんだが、この辺に食い物、レストランは無いか」と尋ねる。
オバちゃんはカップ麺を取り出し「一個10ドルね」と。

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カップ麺をすすり、長い長い一日は終わっていくのであった。

案内された部屋は、4000円というだけあって個室なうえシャワーとトイレもついていた。
素晴らしい...。

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目が覚めると朝10時を過ぎていた。
今日はマカオ散策に徹しよう...

次回はマカオ市内観光編

つづく