18時間で秋の京都は満喫できる(後編)
18時間で秋の京都は満喫できる(前編)の続き。
さて、蓮華寺を出た我々は実相院へと向かう。
若干迷子気味の我々ではあったが、地元の人にも助けてもらいバスに飛び乗った。
④実相院(15:00)
ここは、床に紅葉が映る「床紅葉」が有名なスポットであるが、屋内の撮影は禁止ということで様子をお伝えすることはできない。
だが、訪れたときは紅葉が見頃で、旅行パンフレットで見たような風景が広がっていた。
朝、少し雨が降っていたこともあり、庭園からはうっすらと虹を見ることができた。
拡大...。
燃えるような紅葉。
ついついこういう写真を撮りたくなってしまう
虹と紅葉を楽しんだ我々は、さらにバスで南下していく。
なお、実相院の最寄りバス停は「岩倉実相院」バス停だが、別路線の「岩倉中町」バス停も徒歩10分ほどでアクセスできるので時間帯に合わせて工夫したい。
岩倉中町→国際会館→(地下鉄)→北大路→千本北大路→鷹峯源光庵
⑤源光庵(16:00)
日も傾き、拝観時間終了ギリギリといったところであった。
この二つの窓は見たことのある方も少なくはないだろう
左を「悟りの窓」、右を「迷いの窓」というそうだ。
障子など、和風建築の要素が「額縁」として庭園を引き立たせている。
これが計算されたものなのかはわからないが、(前編)で訪れた蓮華寺のお坊さんに言わせてみれば、これもまた「極楽浄土」としてのデザインなのだろう。
源光庵から移動する。
バスで二条駅まで一気に下り、地下鉄で東山へ向かう。
南禅寺のライトアップに行こうとしていたのである。
ここまで、瑠璃光院くらいしかまともに「秋の京都」に巻き込まれていない我々。
「少し並べば」と思っていたのが間違いであった。
南禅寺の入り口にたどり着く。壁の向こう側にはライトアップされている紅葉が少しだけ見える。
人が並んでいるのがちらっと見える。
「少し並べば、ってとこかな?」と思って見ていると、
「めちゃくちゃ並んでるんだけど!」と某氏。
そう、先ほど私が見ていたのは行列の一部だったのだ。
その後ろには壁に沿って参拝客がズラーっと数百メートルにわたって並んでいる...。
「秋の京都」の本気を見た気がした。
もちろんライトアップも見たいところだったが、とっとと撤退。
再び地下鉄で中心部へと戻るのであった。
東西線が三条に着いた時、「そういえばここから東福寺まで一気に下れるじゃん」と思いつく。
「東福寺のライトアップ」を見に行く計画があったのだ。
そうして京阪電車に乗り換え、東福寺駅に到着。
しばらく迷子になり、警備員の人に訊いてみる。
「東福寺ではやってない、勝林寺でやってる」とのこと。
やってないのか…。
⑥勝林寺(18:00)
勝林寺は東福寺の向かい側にある。
決して大きなお寺ではないが、ライトアップされた紅葉はとても美しかった。
本尊である毘沙門天像は通常は見ることができないが、この秋の拝観の時期には特別に見ることができた。撮影は禁止であった。
⑦東寺(20:00)
東福寺からバスで西へ移動。
京都駅からも程近い東寺。
こちらもライトアップがされている。
五重塔が映える。
市内中心部にも程近いにも関わらず、観光客はそこまで多くはなかった。
また、東寺は寺院には珍しく三脚の利用が可能というのも嬉しかった。
さて、帰りのバスの時間まであと2時間ほどとなった。
この時点では夕食がまだだった。
京都といえばラーメンということで一致していたので、何を食べるかは決めていたのだが、タイミングを逃して食べられずにいた。
当初行こうとしていた某店は休業日。
もう一つの候補の店へ向かう。この時点で21時半だった。
が、店の前は長蛇の列が出来ている。
22時閉店ということだが、このままでは食事にはありつけないのではないか。
Google先生によると、京都駅構内にもラーメンを食べられる「ラーメンストリート」という場所があるらしい。
移動することを決断し列を離れた我々。
京都駅ビルの10階に到達した瞬間だった。
「ラストオーダーのお時間です」
という声とともに目の前で列が閉じられていく。
時計を見ると21時45分。
22時に閉店するこの「ラーメンストリート」のラストオーダーの時間ぴったりに到着した我々は、この上ない絶望感に包まれたのであった。
―ラーメンが食べられない―
こんな事態になるとは思わなかった。
ここで食事が取れないとなると、静岡までの深夜バスは空腹に耐えなければならないことになる。
それだけは避けたい。
と思っていたとき「さっき東寺から駅に来るときにラーメン屋あったよね」と某氏。
調べてみると、なんと0時まで営業しているらしい。
22時、まだ閉店まで余裕があるにも関わらず我々は思わず走りだしたのだった。
ラーメン研究所というお店。
豚骨なのだが、しつこくない味だ。
しかも「学割」と称して、学生証を提示すれば900円で餃子セットを頼めるという「学生の街」ならではのサービスもあった。
最高である。
今回の怒涛のような旅の締めくくりに相応しいラーメンだった。
「銭湯に行きたい」とのリクエストもあったものの、時間がギリギリすぎてパスしたのは残念だったが…。
そうして23時、静岡行きの高速バスに乗り込み今回の旅は終わっていったのであった。
ここまで詰め込んで24時間経っていないのだ。
充実していたと思う。
この0泊1日旅行のポイントについて考えてみると、
・平日であること
・マイナースポットに絞る
・地下鉄とバスを組み合わせる
・人が多そうな場所を挟むときは早朝か遅めの時間に
ということが成功のカギだったと考える。
特に、二番目のマイナースポットに絞る、というのは大きかった。
京都のド定番スポットばかりを巡っていたら、とても1日では済ませられない。
「有名なところに行きたい」ではなく「紅葉が見たい」という目的だとしたら、必ずしも有名どころが紅葉スポットであるとはいえないので、よく調べてマイナーなスポットに絞れば紅葉は十分楽しめるといえる。
来年にでも、京都へ0泊1日の弾丸旅行を検討されている方は、ぜひ参考にされたい。
「18時間で秋の京都は満喫できる」おわり。
さて、蓮華寺を出た我々は実相院へと向かう。
若干迷子気味の我々ではあったが、地元の人にも助けてもらいバスに飛び乗った。
④実相院(15:00)
ここは、床に紅葉が映る「床紅葉」が有名なスポットであるが、屋内の撮影は禁止ということで様子をお伝えすることはできない。
だが、訪れたときは紅葉が見頃で、旅行パンフレットで見たような風景が広がっていた。
朝、少し雨が降っていたこともあり、庭園からはうっすらと虹を見ることができた。
拡大...。
燃えるような紅葉。
ついついこういう写真を撮りたくなってしまう
虹と紅葉を楽しんだ我々は、さらにバスで南下していく。
なお、実相院の最寄りバス停は「岩倉実相院」バス停だが、別路線の「岩倉中町」バス停も徒歩10分ほどでアクセスできるので時間帯に合わせて工夫したい。
岩倉中町→国際会館→(地下鉄)→北大路→千本北大路→鷹峯源光庵
⑤源光庵(16:00)
日も傾き、拝観時間終了ギリギリといったところであった。
この二つの窓は見たことのある方も少なくはないだろう
左を「悟りの窓」、右を「迷いの窓」というそうだ。
障子など、和風建築の要素が「額縁」として庭園を引き立たせている。
これが計算されたものなのかはわからないが、(前編)で訪れた蓮華寺のお坊さんに言わせてみれば、これもまた「極楽浄土」としてのデザインなのだろう。
源光庵から移動する。
バスで二条駅まで一気に下り、地下鉄で東山へ向かう。
南禅寺のライトアップに行こうとしていたのである。
ここまで、瑠璃光院くらいしかまともに「秋の京都」に巻き込まれていない我々。
「少し並べば」と思っていたのが間違いであった。
南禅寺の入り口にたどり着く。壁の向こう側にはライトアップされている紅葉が少しだけ見える。
人が並んでいるのがちらっと見える。
「少し並べば、ってとこかな?」と思って見ていると、
「めちゃくちゃ並んでるんだけど!」と某氏。
そう、先ほど私が見ていたのは行列の一部だったのだ。
その後ろには壁に沿って参拝客がズラーっと数百メートルにわたって並んでいる...。
「秋の京都」の本気を見た気がした。
もちろんライトアップも見たいところだったが、とっとと撤退。
再び地下鉄で中心部へと戻るのであった。
東西線が三条に着いた時、「そういえばここから東福寺まで一気に下れるじゃん」と思いつく。
「東福寺のライトアップ」を見に行く計画があったのだ。
そうして京阪電車に乗り換え、東福寺駅に到着。
しばらく迷子になり、警備員の人に訊いてみる。
「東福寺ではやってない、勝林寺でやってる」とのこと。
やってないのか…。
⑥勝林寺(18:00)
勝林寺は東福寺の向かい側にある。
決して大きなお寺ではないが、ライトアップされた紅葉はとても美しかった。
本尊である毘沙門天像は通常は見ることができないが、この秋の拝観の時期には特別に見ることができた。撮影は禁止であった。
⑦東寺(20:00)
東福寺からバスで西へ移動。
京都駅からも程近い東寺。
こちらもライトアップがされている。
五重塔が映える。
市内中心部にも程近いにも関わらず、観光客はそこまで多くはなかった。
また、東寺は寺院には珍しく三脚の利用が可能というのも嬉しかった。
さて、帰りのバスの時間まであと2時間ほどとなった。
この時点では夕食がまだだった。
京都といえばラーメンということで一致していたので、何を食べるかは決めていたのだが、タイミングを逃して食べられずにいた。
当初行こうとしていた某店は休業日。
もう一つの候補の店へ向かう。この時点で21時半だった。
が、店の前は長蛇の列が出来ている。
22時閉店ということだが、このままでは食事にはありつけないのではないか。
Google先生によると、京都駅構内にもラーメンを食べられる「ラーメンストリート」という場所があるらしい。
移動することを決断し列を離れた我々。
京都駅ビルの10階に到達した瞬間だった。
「ラストオーダーのお時間です」
という声とともに目の前で列が閉じられていく。
時計を見ると21時45分。
22時に閉店するこの「ラーメンストリート」のラストオーダーの時間ぴったりに到着した我々は、この上ない絶望感に包まれたのであった。
―ラーメンが食べられない―
こんな事態になるとは思わなかった。
ここで食事が取れないとなると、静岡までの深夜バスは空腹に耐えなければならないことになる。
それだけは避けたい。
と思っていたとき「さっき東寺から駅に来るときにラーメン屋あったよね」と某氏。
調べてみると、なんと0時まで営業しているらしい。
22時、まだ閉店まで余裕があるにも関わらず我々は思わず走りだしたのだった。
ラーメン研究所というお店。
豚骨なのだが、しつこくない味だ。
しかも「学割」と称して、学生証を提示すれば900円で餃子セットを頼めるという「学生の街」ならではのサービスもあった。
最高である。
今回の怒涛のような旅の締めくくりに相応しいラーメンだった。
「銭湯に行きたい」とのリクエストもあったものの、時間がギリギリすぎてパスしたのは残念だったが…。
そうして23時、静岡行きの高速バスに乗り込み今回の旅は終わっていったのであった。
ここまで詰め込んで24時間経っていないのだ。
充実していたと思う。
この0泊1日旅行のポイントについて考えてみると、
・平日であること
・マイナースポットに絞る
・地下鉄とバスを組み合わせる
・人が多そうな場所を挟むときは早朝か遅めの時間に
ということが成功のカギだったと考える。
特に、二番目のマイナースポットに絞る、というのは大きかった。
京都のド定番スポットばかりを巡っていたら、とても1日では済ませられない。
「有名なところに行きたい」ではなく「紅葉が見たい」という目的だとしたら、必ずしも有名どころが紅葉スポットであるとはいえないので、よく調べてマイナーなスポットに絞れば紅葉は十分楽しめるといえる。
来年にでも、京都へ0泊1日の弾丸旅行を検討されている方は、ぜひ参考にされたい。
「18時間で秋の京都は満喫できる」おわり。