春の山陰&三江線へ ②山陰行ったり来たり
2017年3月12日
静岡からの長旅を終えた私は、昨晩島根県は益田で同行者と合流したのであった。
だが、この日も朝は早い。
7:02発の特急スーパーまつかぜに乗るのである。
ところで、今回の行程には特急列車も含めている。
いつもならオール18きっぷで決行するところだが、この日だけは違うきっぷを活用した。
「山陰満喫パス」である。
鳥取県・島根県のJR線が特急含め乗り放題になるきっぷだ。
同一行程を2人以上で旅行する場合のみの発売なので一人旅で利用できないが、今回のような複数人の旅行ではコストパフォーマンスも良く便利である。
朝日に照らされる益田駅。
特急スーパーまつかぜに使われるキハ187系は振り子型特急車両である。
2両編成のディーゼル列車は、益田を出ると表定速度83㎞の快走を発揮していた。
当然揺れも少なくはないが...。
昨日の夜には見られなかった山陰本線の車窓が楽しめる。
青い日本海に赤い石州瓦が映える。
個人的に驚いたのは、この地域の日本海が新潟や北陸のそれとは違い沖縄のような明るい青色だという点である。今回同行した友人たちは、昨日は山口県を回ってきたそうなのだが、彼ら曰く向こうは海の色がまるで南の島のようだったのだそう。
透明度が高いということなのだろうか。今度はぜひ海にもっと近づいて確かめてみたい。
8:53 出雲市に到着。ちなみにこちらがキハ187系のお顔である。
うーん
さて、ここからは一畑電車に乗り換え、出雲大社へ向かう。
なお、この「山陰満喫パス」を持っていれば一畑電車のフリーきっぷを安く手に入れることができる。
これまた奇抜な塗装の車両である。
この列車は松江しんじ湖温泉行きで、出雲大社前駅には向かわない。
途中の川跡駅で乗り換えが必要になる。
川跡駅で我々を待っていたのは、元・京王5000系だった。
出雲大社前駅まで一直線なのだが、レールがところどころ曲がっているのがわかる。
終点の出雲大社前駅に到着。この駅舎と車両の雰囲気がよく合っている。
出雲大社前駅
ステンドグラスもあり、建物内外ともに雰囲気はまるで教会だ。
この駅舎は経済産業省から近代産業遺産に認定されている。
外にはデハニ50形電車が展示されている。
デハニ50形は1928年に製造され、2009年に現役を引退した。
引退後に中井貴一主演の映画「RAILWAYS 49歳で電車の運転士になった男の物語」の撮影にも使われたことでも知られている。
車内には映画に関する展示もなされていた。
駅を離れ、出雲大社へ向かう。
出雲大社は駅から徒歩数分のところにある。
駅は参道の途中にあり、アクセスは良い。
出雲大社は、ご存じの通り縁結びの神として知られる。
最近では若い女性に人気なのだそうだが、今回は我々男4人がずかずかとお邪魔した。
どうやら出雲大社での参拝方法は他の神社のそれとは違うらしいが、その点については各自で調べていただきたい(注:筆者はクリスチャンゆえ神社で参拝はしない)。
参道にあるお店に入り、出雲そばを食べる。
割子と呼ばれる器が数段重なっており、その一つひとつにそばが入っている。
なかなか不思議なスタイルだが、それを含めても美味しいお蕎麦であった。
さて、出雲大社付近には廃止になった駅があるのをご存じだろうか。
出雲大社の参道から少し歩いたところに、廃止された「大社駅」はある。
1990年の大社線廃止に伴い廃止された。
和と洋のテイストが融合した素敵な雰囲気の建物だ。ジブリ作品の世界観を思い起こさせる。
駅構内は広い。
東京など各地から、この大社駅を目指して臨時列車などが運行されたことを考えると確かに相応の広さではある。
この臨時改札が、廃止前の様子を物語っている。
もう列車が来ることのないホーム。線路跡は道路へと姿を変えていた。
さて、再び一畑電車の出雲大社前駅へと戻り、列車で松江へ向かう。
列車はとことこと走っていく。
手前に広がる宍道湖、そして奥にはうっすらと大山が見える。
宍道湖を右手に眺めつつ、約1時間で終点の松江しんじ湖温泉駅に到着する。
なんと、デハ7000形が出迎えてくれたではないか...。
一畑電車では、先述のデハニ50形以来86年ぶり(‼)の”新型車両”である。
一畑電車では、他の鉄道会社の中古車両を購入して走らせているというパターンはこれまで何度もあったが、このような自社オリジナルの”新型車両”を製造、運行することがしばらくぶりのことなのである。
さて、ここからは歩いて松江駅へと向かう。
途中、松江城など中心部も通ることになる。
松江城
お堀にいた亀たち。
我々はじーっと亀を眺めていた。
そろそろ時間なので歩き出す...。
宍道湖の上にかかる橋を歩いて渡っていた時だった。
「そろそろ時間がヤバい」
ここから駅までは1㎞近くあるのだが、特急の発車までは5,6分程度しかない。
我々は歩くスピードを上げる。
ここで遅れたら、このあとの行程が崩れてしまう…。
距離があるなら松江城の前からタクシーを使ってもよかったのではないか。
そもそも亀なんか眺めてる場合じゃなかったのではないか。
さまざまな考えが頭をよぎる。
だが、「乗れないとヤバい」という思いが足を動かした。
松江駅で特急列車の車内に滑り込めたのである。
ギリギリセーフだった。
列車は松江駅を出ると、東へと進んでいった。
鳥取に到着。
行く場所といえば当然、
砂場、もとい鳥取砂丘である。
エジプトと言って人を騙せそうである。砂漠とオアシスのようだ。
勇敢にも海へと降りていこうとする友人氏2人。
さすがに海まで出ると帰ってくるのは楽ではない。
斜面が急な個所もあり、「行きはよいよい、帰りは...」という感じである。
もどってきたころには靴が砂まみれになっているというのも注意が必要である。
タクシーの運転手さん曰く、鳥取砂丘のベストシーズンは5月頃。
観光客が最も集中し、周辺道路が例年大渋滞するらしい。
駅から20分ほどの道のりだが、もっと時間が掛かるとなるとかなり大変だ。
さて、今度は再び西へ戻り、島根県の江津へ向かう。
再びスーパーまつかぜに乗り込む。
だが、途中の倉吉でやけに長時間停車したのであった。
車両の様子がおかしいらしい。
その後、米子で車両交換が行われるという旨のアナウンスが流れた。
我々は座れず、デッキにしゃがんでいたので着席のチャンスである。
米子に着いた途端にダッシュし、向かい側の列車に乗り込む。
が、不思議なことに交換した列車にはそれほど多くの人が乗ってこなかったのである...。
もともと米子で降りる人が多かったのだろうか。
車両を交換した列車は何のトラブルもなく、快走を続ける。
ご自慢の振り子でぶっ飛ばしていく。
そして列車は、本日の目的地・江津に到着...。
山陰を往復するだけだったが今日だけで500㎞近く移動している。
失礼ではあるが、山陰は思ったより”広い”のだ。
明日はここから三江線に乗る。
6時頃に出発する列車に乗るので、起床事故などが起こらないといいのだが…。
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静岡からの長旅を終えた私は、昨晩島根県は益田で同行者と合流したのであった。
だが、この日も朝は早い。
7:02発の特急スーパーまつかぜに乗るのである。
ところで、今回の行程には特急列車も含めている。
いつもならオール18きっぷで決行するところだが、この日だけは違うきっぷを活用した。
「山陰満喫パス」である。
鳥取県・島根県のJR線が特急含め乗り放題になるきっぷだ。
同一行程を2人以上で旅行する場合のみの発売なので一人旅で利用できないが、今回のような複数人の旅行ではコストパフォーマンスも良く便利である。
朝日に照らされる益田駅。
特急スーパーまつかぜに使われるキハ187系は振り子型特急車両である。
2両編成のディーゼル列車は、益田を出ると表定速度83㎞の快走を発揮していた。
当然揺れも少なくはないが...。
昨日の夜には見られなかった山陰本線の車窓が楽しめる。
青い日本海に赤い石州瓦が映える。
個人的に驚いたのは、この地域の日本海が新潟や北陸のそれとは違い沖縄のような明るい青色だという点である。今回同行した友人たちは、昨日は山口県を回ってきたそうなのだが、彼ら曰く向こうは海の色がまるで南の島のようだったのだそう。
透明度が高いということなのだろうか。今度はぜひ海にもっと近づいて確かめてみたい。
8:53 出雲市に到着。ちなみにこちらがキハ187系のお顔である。
うーん
さて、ここからは一畑電車に乗り換え、出雲大社へ向かう。
なお、この「山陰満喫パス」を持っていれば一畑電車のフリーきっぷを安く手に入れることができる。
これまた奇抜な塗装の車両である。
この列車は松江しんじ湖温泉行きで、出雲大社前駅には向かわない。
途中の川跡駅で乗り換えが必要になる。
川跡駅で我々を待っていたのは、元・京王5000系だった。
出雲大社前駅まで一直線なのだが、レールがところどころ曲がっているのがわかる。
終点の出雲大社前駅に到着。この駅舎と車両の雰囲気がよく合っている。
出雲大社前駅
ステンドグラスもあり、建物内外ともに雰囲気はまるで教会だ。
この駅舎は経済産業省から近代産業遺産に認定されている。
外にはデハニ50形電車が展示されている。
デハニ50形は1928年に製造され、2009年に現役を引退した。
引退後に中井貴一主演の映画「RAILWAYS 49歳で電車の運転士になった男の物語」の撮影にも使われたことでも知られている。
車内には映画に関する展示もなされていた。
駅を離れ、出雲大社へ向かう。
出雲大社は駅から徒歩数分のところにある。
駅は参道の途中にあり、アクセスは良い。
出雲大社は、ご存じの通り縁結びの神として知られる。
最近では若い女性に人気なのだそうだが、今回は我々男4人がずかずかとお邪魔した。
どうやら出雲大社での参拝方法は他の神社のそれとは違うらしいが、その点については各自で調べていただきたい(注:筆者はクリスチャンゆえ神社で参拝はしない)。
参道にあるお店に入り、出雲そばを食べる。
割子と呼ばれる器が数段重なっており、その一つひとつにそばが入っている。
なかなか不思議なスタイルだが、それを含めても美味しいお蕎麦であった。
さて、出雲大社付近には廃止になった駅があるのをご存じだろうか。
出雲大社の参道から少し歩いたところに、廃止された「大社駅」はある。
1990年の大社線廃止に伴い廃止された。
和と洋のテイストが融合した素敵な雰囲気の建物だ。ジブリ作品の世界観を思い起こさせる。
駅構内は広い。
東京など各地から、この大社駅を目指して臨時列車などが運行されたことを考えると確かに相応の広さではある。
この臨時改札が、廃止前の様子を物語っている。
もう列車が来ることのないホーム。線路跡は道路へと姿を変えていた。
さて、再び一畑電車の出雲大社前駅へと戻り、列車で松江へ向かう。
列車はとことこと走っていく。
手前に広がる宍道湖、そして奥にはうっすらと大山が見える。
宍道湖を右手に眺めつつ、約1時間で終点の松江しんじ湖温泉駅に到着する。
なんと、デハ7000形が出迎えてくれたではないか...。
一畑電車では、先述のデハニ50形以来86年ぶり(‼)の”新型車両”である。
一畑電車では、他の鉄道会社の中古車両を購入して走らせているというパターンはこれまで何度もあったが、このような自社オリジナルの”新型車両”を製造、運行することがしばらくぶりのことなのである。
さて、ここからは歩いて松江駅へと向かう。
途中、松江城など中心部も通ることになる。
松江城
お堀にいた亀たち。
我々はじーっと亀を眺めていた。
そろそろ時間なので歩き出す...。
宍道湖の上にかかる橋を歩いて渡っていた時だった。
「そろそろ時間がヤバい」
ここから駅までは1㎞近くあるのだが、特急の発車までは5,6分程度しかない。
我々は歩くスピードを上げる。
ここで遅れたら、このあとの行程が崩れてしまう…。
距離があるなら松江城の前からタクシーを使ってもよかったのではないか。
そもそも亀なんか眺めてる場合じゃなかったのではないか。
さまざまな考えが頭をよぎる。
だが、「乗れないとヤバい」という思いが足を動かした。
松江駅で特急列車の車内に滑り込めたのである。
ギリギリセーフだった。
列車は松江駅を出ると、東へと進んでいった。
鳥取に到着。
行く場所といえば当然、
砂場、もとい鳥取砂丘である。
エジプトと言って人を騙せそうである。砂漠とオアシスのようだ。
勇敢にも海へと降りていこうとする友人氏2人。
さすがに海まで出ると帰ってくるのは楽ではない。
斜面が急な個所もあり、「行きはよいよい、帰りは...」という感じである。
もどってきたころには靴が砂まみれになっているというのも注意が必要である。
タクシーの運転手さん曰く、鳥取砂丘のベストシーズンは5月頃。
観光客が最も集中し、周辺道路が例年大渋滞するらしい。
駅から20分ほどの道のりだが、もっと時間が掛かるとなるとかなり大変だ。
さて、今度は再び西へ戻り、島根県の江津へ向かう。
再びスーパーまつかぜに乗り込む。
だが、途中の倉吉でやけに長時間停車したのであった。
車両の様子がおかしいらしい。
その後、米子で車両交換が行われるという旨のアナウンスが流れた。
我々は座れず、デッキにしゃがんでいたので着席のチャンスである。
米子に着いた途端にダッシュし、向かい側の列車に乗り込む。
が、不思議なことに交換した列車にはそれほど多くの人が乗ってこなかったのである...。
もともと米子で降りる人が多かったのだろうか。
車両を交換した列車は何のトラブルもなく、快走を続ける。
ご自慢の振り子でぶっ飛ばしていく。
そして列車は、本日の目的地・江津に到着...。
山陰を往復するだけだったが今日だけで500㎞近く移動している。
失礼ではあるが、山陰は思ったより”広い”のだ。
明日はここから三江線に乗る。
6時頃に出発する列車に乗るので、起床事故などが起こらないといいのだが…。
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