或る旅2

おでかけ記録です。ライブドアからはてなに移転しました

春の山陰&三江線へ ③来年廃止予定の三江線に乗る

2017年3月13日
島根県江津市
 
昨日、出雲や鳥取を回った我々は江津駅前のホテルに宿泊していた。
翌朝も朝は早いので早く寝ておこうという話だった。

列車は5時53分江津発である。

アラームが散々鳴っていたのであろうケータイを見ると…
「5:45」との表示。
起床事故である。

慌てて同室の仲間を起こす。
今回は2部屋を2人ずつという部屋割りとなっていた。もう一方の部屋の2人は既にロビー階に下りていたようだった。
カギを戻すと、駅へ向けて走った。

駅までは徒歩5分もしない位置だったことが幸いして、江津駅へと滑り込む。
列車は当然だが、もう停車している。 そして、こんなに朝早いにも関わらず鉄道ファンとみられる人々が既にクロスシート部分を押さえていたのであった。

我々がロングシート部分に座ると、2~3分程で列車が動き出した。
本当に危なかった。これを逃した場合、次の列車は12:34発であり、旅程が滅茶苦茶になるところであった。

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まだ外も暗い中、江津に停車している三次行き423D列車。

5:53に江津を出た列車は、9:21に広島県の三次に到着する。約110㎞の旅である。
列車は江の川を左に眺めながら南下していく。

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三江線は路線全体でこの川に沿って走っている。
こういってはなんだが、行きも伯備線から似たような風景を見た気もする

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 列車は何度か江の川を渡る。
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 途中駅でのすれ違いもあった。
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山間の小さな駅を通っていく。

さてこの三江線、残りの命はあとわずかとなってしまった。
先日、2018年をもって廃止されることが正式に決まったのである。
もとも三江線は、山陰と山陽を繋げる路線として計画された。
1930年代から既に一部区間は開業していたが、最終的に江津~三次間の線路が繋がったのは1975年。
その頃すでに日本はモータリゼーションの時代を迎えており、鉄道は旅客・貨物ともに輸送における主役の座を追われつつあったのである。
全通前の段階から既に国鉄の赤字路線リストで廃止が検討されていたが、全通後もその状況は変わらず利用状況は芳しくなかった。何度も災害の被害に遭いそのたびに復旧してきたのだが、利用者の減少は止まることなく今回正式に廃止が決定するに至ったのである。

確かに、江津~三次間は最短距離約60㎞のところを100㎞以上かけていて、遠回りで余計に時間が掛かっているという印象はあったが…(乗っていても、カーブの多さがスピードの妨げになっているのだとは感じられたが)

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美しい江の川をのんびり眺めながら走る三江線も悪くないのだが、やはり時代や地域の状況の変化には鉄道側のどんな努力をもっても抗えないのだ。
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さて、こちらは途中にある宇都井(うづい)駅。
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これらの写真ではわかりにくいが、20mという日本一の高さを誇る駅として知られている。
(高さなどがわかりやすい写真は某事典サイトや各種ブログなどをご参照いただきたい)
駅の入り口からホームまではエレベータやエスカレータの設備はなく、利用者は116段の階段を上らなければならない。
もっとも、一日当たりの乗車人員数は0人という秘境駅なのであるが...。
そして、この駅を訪れる際は列車の本数にも要注意だ…。

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一日数本の列車を通すための線路も、その役目はあと1年となってしまった。

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9:21 広島県は三次に到着。
ロングシートで3時間以上は、なかなかの長旅であった。

今回訪れたときはまだ正式な発表はなされていなかったが、既に全国から乗りに来ている人が大勢いた。2018年3月末の廃止が近づくにつれ、ますます訪れる人は増えるだろう。
江の川の美しい風景を楽しむのと同時に、日本の地方における交通機関としての鉄道の、今後のあり方についても考えられたらと思う。
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折り返し石見川本行きとなった列車。
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さて、三次からは芸備線で広島へと向かう。
次の快速みよしライナーは10:30発。約1時間待ちである。
 
さて、三次で一体何して待とうか...
つづく

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